
世界観を紐解く二つの顔を持つパンフレット

二面性を表現した大胆なデザインアプローチ
再演となる『舞台 死神べいびーず』のパンフレット制作において、私たちは前回のデザインが持つエッセンスを受け継ぎながら、まったく新しい視点で再構築を試みました。作品の核にある「死神」の持つ暗さと、観客の心に温もりを届けるストーリーの明るさ。この相反する要素を、黒とオレンジという対照的なカラーで表現しました。特殊な観音開き仕様を採用し、表紙を中央から開くと登場する二人の漫才師の表情が一変する構成は、物語の持つ二面性や驚きを、視覚的なギミックとして仕込んだものです。パンフレットを開く体験そのものが、『死神べいびーず』の世界観への入口となるように設計しています。

世界観の統一と、三作品それぞれの個性の演出
今回のパンフレットでは、『死神べいびーず』に加えて、同時上演される『天使会議』『たまご座』のグラフィック制作も担当しました。三作品それぞれの世界観を尊重しながら、シリーズとしての統一感を意識したアートディレクションを行いました。『死神べいびーず』では、前回のタイトルロゴの魅力を活かしつつ、フォントやレイアウトを刷新して、より洗練された印象にブラッシュアップ。舞台の持つコミカルさを伝えるために、網点のようなテクスチャを取り入れ、漫才師たちの軽妙なやりとりを視覚的に表現しました。全体を通して、舞台の印象や重要なシーンを象徴的に描き出すことで、パンフレットを手にした瞬間から作品への期待が高まるよう細部までこだわりました。
